スラムに住むルワンダ人に希望を与えた日本人宿KISEKI

ぼくは経済的に恵まれたわけでもく、恵まれていないわけでもない、ごく平凡な中流家庭に生まれました。


ぼくの田舎でスラムのような状況を見たことがありません。

経済的に深刻に困っている人とも出会ったことがありません。

先進国の仲間入りを果たした日本でスラムのような状況を探すことの方が難しいのかもしれません。

 

日本人宿KISEKIのツアーで初めてのスラム訪問

ぼくが参加したルワンダスタディツアーの拠点になった場所、それがルワンダの首都キガリにある日本人宿KISEKIです。(以下:キセキ)

キセキは山田美緒さんという名物女将がオーナーを務め、日本人のインターン生以外は現地のルワンダ人を雇用しています。(今回は山田さんが日本に仕事に行っているということでお会いできませんでした。)

 

はじめのブログで伝えましたが、ルワンダの収入格差は大きく、多くのルワンダ人は日雇い労働の状態が続いていて、明日の仕事を保証されていません。

以前は大学を卒業すれば、それなりの仕事に就くことができていましたが、現在は大卒でも仕事が無い状態で、仕事にありつけるケースは「個々の人間関係(俗に言うコネクション)」が大部分を占めています。

 

「働く意欲があっても働けない」

 

それがルワンダの現状なのです。

 

そんな中、ぼくはキセキの主催するスラムツアーに参加し、スラムに実際に住んでいるシングルマザーのお宅を訪問させていただきました。

2つのお宅を訪問したのですが、どちらもキセキの従業員の方です。

ぼくにとって初めてのスラム体験でもありました。

 

スラムの環境はたしかに過酷だ。しかし、彼女たちは希望を持っていた

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スラムはキセキから徒歩10分程度の場所にあり、道は舗装されておらず、傾斜のある赤土の道をバランスを取りながら慎重に進んで行きます。

傾斜の底には下水が流れています。

 

2つのお宅は想像通り、とても住居環境に恵まれているとは言い難いものでした。

1つのお宅はベッド2つ分ほどの土壁の部屋ともう1部屋があって、そこに7人の息子さん、お孫さんの計8人で暮らしていました。

中は薄暗く、テレビも冷蔵庫もトイレもありません。

家賃は2500円ほどだそうです。

 

もう一つのお宅は先ほどのお宅よりは広く、テレビもありましたが、やはり「ここに住んでいるのか。」と感想を持つ環境です。

日本の住居を考えれば、彼女たちの住まいが過酷なモノであるのは間違いありません。

 

しかし、メディア媒体から発信されるスラムのイメージとは異なり、裏切られたことがありました。

 

それは彼女らが希望を持っていたことです。

 

訪問した中の一人の女性は、前述の通り計7人の息子さんとお孫さんを抱えています。

以前の仕事は、やはり日雇い労働で明日の生活もどうなるか分からない不安な日々を過ごし、子供たちを学校に行かせることも難しい状況でした。

 

ですが、KISEKIとの出会いが彼女と彼女の家族の人生を変えました。

KISEKIに務めたことで毎日の仕事の見通しが立ち、継続的な収入を見込めるようになりました。

それによって子供たちを学校に通わせることができるようになり、17歳になった息子さんも現在は小学校に通えています。

何より収入が安定するようになって心に余裕を持てたことが大きいのです。

 

それを象徴するようなエピソードがあります。

ぼくが「もしお金に余裕があったら、何を一番したいですか?」という質問をした所、彼女から「牛や豚を飼って牧場を作り、独立したい」という極めて建設的な答えが返ってきたことです。

 

この返答は心に余裕があり、未来に希望を持てていないとできないポジティブな発言です。

 

スラムが不幸なのではない

ぼくは彼女の答えを聞いて「前向きな意味で裏切られた」と思いました。

 

世の中の多く(過去の自分も含めて)はスラムに住んでいること自体が不幸のように感じると思います。

しかし、実体はもう少し違うのかもしれません。

 

少なくともKISEKIに勤めているスラムの住民の人々は生きることに前向きで将来の展望もあり、とても不幸におもえませんでした。

不幸を強いて説明するなら、スラムに住んでいることではなく、生きることに希望を見出せないことが不幸なのではないかとぼくは考えます。

 

人を尊敬することの重要性を痛感した

今回、お宅を訪問させていただいた2人が揃って心から伝えていたことがあります。

それがオーナーである山美緒さんに対する感謝の気持ちです。

「彼女が私たちに尊敬の気持ちを持って接してくれているからこそ、楽しく仕事が続けられている」と嬉しそうに語っていることがとても印象的でした。

 

国も言語も違う中で、仕事を一緒になって取り組むにはやはり尊敬の気持ちが最も重要なのだと痛感させられました。

 

スラムに住むルワンダ人に希望を生むKISEKIの価値

ぼくは今回のツアーで様々なルワンダの場所を訪れ、たくさんの人たちと接する機会をいただけました。

それによって痛烈に感じたのは、問題はハッキリとしているけれど問題の数が余りにも多いということです。

 

その中で大切なのは、小さくてもいいから確実に問題に取り組み、徐々にその輪を広げていくことなのかもしれません。

そういった意味で、スラムに住む女性たちを日雇い労働から解放し、継続的な雇用を生み出したKISEKIの価値は本当に大きなことだと思います。

 

そして、単に雇用するだけでなく、働いているみなさんに尊敬の念を向ける女将の山田美緒さんの態度は本当に素晴らしいことだと心から感じました。

 

 

ー終ー

 

日本人がルワンダの首都キガリで泊まる宿ならKISEKIです! 

 キセキはキガリ空港からタクシーで10分程度でいける日本人宿です。

お客さんの多くが日本人なのでぼくのような海外初心者に心強いです。

 

従業員のルワンダ人のみなさんもとても親切でとても居心地が良かったです。

ドミトリーであれば一泊1500円ほどととてもリーズナブルに泊まれますよ!

キガリで泊まる宿ならぜひ覚えておくことをおすすめします。

公式サイト:日本人宿 KISEKI

 

参加したツアー

今回ぼくが参加したツアーは元青年海外協力隊で現地のルワンダ人と深い関わりのあるタケダノリヒロさんの主催するルワンダステディツアーです。

このルワンダスタディツアーに参加しなければ今回のようなブログはとても書けませんでした。

ルワンダに関心があり、ルワンダのことを深く知りたいと思ってる方には打ってつけのツアーです。

 

期間は5泊6日ですが、2日目終了時点で「このツアーに参加して良かった!」と心からおもいました。

ルワンダに一度行こうとおもってる方はぜひチェックしてみてください!

詳細記事:ルワンダ・スタディツアー「START」開催日程 | ルワンダ・スタディツアー&旅行コーディネートのアフリカノオト

 

アフリカ渡航 支援者様一覧

ぼくの3度目の個展やポルカでご支援してくださった66名のみなさんです。

このみなさんのお力添えによってぼくはルワンダに行くことができました。

誠にありがとうございます。

 

尚、ほとんどの方々がぼくの設定した大口支援額を超えていたため、感謝の気持ちとして全員を大口支援者としてお名前を大きくさせていただきした。

みなさまには本当に感謝しております。

※もし名前の記載のなかった方がいましたら、ミヤハヤまでお教えください

 

山崎亜紀子様、八木仁平&まさみ夫妻様、ともみ様

おぎしま様、サカキ様、ワダ様、イシカワ様、toku様

カオル様、INB様、くにあつ様、青金様

よのすけ様、マナティ様、ほなみん様、みすけ様

るってぃ様、けんじろう様、ごろー様、川尻の幼じみ様

みさき様、ちよこ様、メイ様、マエダ様

こっしー様、ゆっちゃん様、いわた様、ボム田中様

ゆうみん様、ながはま様、みずほ様、ナオト様、

長田圭介様、かたくられん様、やぎ様、ゆうだい様

ふくだ様、モッカ様、迫&ちんとも様、R.m様

あんじゅ先生様、tokky様、ケイタ様、ぶんた様

杉山智昭様、アキラ&たなか様、チャーミー様

しみ様、かいち様、りっかこ様、Kenta Yamazaki様

藤沢篤様、つとむ様、ハヤシはしる様、zicco様

セトセイラ様、Jajacircle様、きゃっぷ様、女忍者さま

legend様、takaaki様、imachan様、千葉こうじ様